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大明神川
【だいみょうじんがわ】


東予市北部を東流する2級河川。同市河之内に源を発し,旧壬生川(にうがわ)町・三芳町の境界をほぼ東北東に流れて燧(ひうち)灘に注ぐ。河川延長8.472kmの小河川であるが,花崗岩地帯特有の典型的な天井川で,国鉄予讃本線も河床の下を通る。また流路はほとんど直線状で,大雨が降れば鉄砲水となり,古くより洪水を繰り返してきた。大明神川の名はこうした川に対する人々の畏れを表したものとも伝えられる。なお,観念寺文書に見える「吉岡川」がのち大明神川とよばれるに至ったものか。同川は山麓に扇状地を形成し,排水がよく良米の産地として知られる。また東予市国安(くにやす)はこの扇状地の扇端に位置して湧水に恵まれ,天保年間に始められた手漉き奉書紙の生産で知られる。また同川の豊富な伏流水を利用して,富士紡績壬生川工場のほか化学工業の進出がみられる。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7201964