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高瀑渓谷
【たかたるけいこく】


周桑(しゆうそう)郡小松町の南端にある渓谷。西条市に河口をもつ加茂川の上流で,石鎚山系西ノ冠岳に源を発し,河口(こうぐち)で河口谷と合流する。同渓谷はその最上流部をさす。石鎚国定公園に属し,春はシャクナゲ・ツツジ・ヤマフジが咲き,秋は紅葉と絶好のハイキングコースとなっている。西ノ冠岳の麓に,高さ132m・幅約100mの高瀑(たかたる)がある。この滝は古くは冠瀑と呼ばれ,標高1,300mの高所にあるため水量は少ないが,規模の雄大さは西日本最大といわれる。文化14年小松藩の朱子学者近藤篤山もこの滝に登り,「冠瀑紀行」を記した。同滝の下流にある白ノベラ・赤ノベラの奇勝は,熱変質輝石安山岩の平滑な一枚岩で,滑床の延長は約120mに及ぶ。同渓谷の入口にあたる土居まではバス路線があり,土居から奥は白ノベラまで12kmの林道が昭和39年に開通した。同40~42年には小松町も観光開発として白ノベラ周辺に遊歩道などを設け,さらに同43年度に厚生省から自然研究路の指定を受け,滝までの登山道が整備された。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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