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立間川
【たちまがわ】


北宇和郡吉田町中央部を北から南に流れる川。吉田町中之谷に源を発し,南流して国安(くにやす)川に注ぐ。延長3.5km。支流に本村(ほんむら)川(4.1km)がある。国安川は吉田陣屋より下流の人工河川であり,立間川の河口部分をいう。立間川本支流の流域は旧立間村の領域にあり,そこには約600haの柑橘園がある。立間におけるミカン栽培の発祥地は白井谷で,すでに幕末には栽培ミカンが見られた。明治39年には栽培面積280ha,産額10万円に達し,全国屈指の産地となり,立間ミカンの名声を不動のものとする。昭和34年には,柑橘栽培農家は立間方式といわれる農業法人を結成し,全国にその名を知られた。また昭和46年からはミカンのハウス栽培も始め,その全国屈指の産地ともなっている。国鉄立間駅の東側には,宇和青果のマンモス撰果場と加工プラントがある。マンモス撰果場は昭和37年に完成,年間5万tのミカンを撰果し,愛媛県一の規模を誇る。加工プラントは南予農業経済圏整備事業の一環として昭和45年に完成,年間缶詰5,000t・ジュース4,000tを生産する。立間川の本・支流域には谷底平野の発達も良好であり,約230haの水田が開けている。河水はその灌漑水源としても重要である。藩政期の立間川は吉田町の御船手(おふなて)付近で海に注いでいたが,陣屋町の形成時に,その河口付近が改修された。現在の横堀川・国安川はいずれもその改修の所産である。横堀川は武家屋敷と町人町を画し,国安川はそこに合流する立間川・河内(かわち)川とともに陣屋の城濠の機能をはたしていた。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7202059