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立岩川
【たていわがわ】


北条市米之野(こめのの)に発し,西流して斎(いつき)灘に注ぐ2級河川。流長14.1km。流域集落は米之野・儀式(ぎしき)・中村・猿川・猿川原・尾儀原(おぎわら)・才ノ原・神田・庄(しよう)・高田・八反地・中西内(なかにしうち)・上難波(かみなんば)・中通・下難波・北条。古来洪水の被害の大きい荒川で,流路もボーリング調査による推定では現在の河口より2.5km南の位置まで移動したことがある。洪水については北条市庄集落の耕地整理記念碑に享保年間大洪水とあり,「門田家文書」に「天保六年五月波田村庄両村宮之上川成場所開発相伺候処同所用掛被仰付候」と見える。明治に入ってからも堤防の決壊はたびたびで,特に明治19年の洪水は被害が大きく,前記宮之上では21戸が全部流失,「立岩川洪水碑」にはこの時流された酒造業者が再建資金を懐中にしたまま隣郡の菊間海岸で発見された旨を記す。流域面積50km(^2)余の立岩川下流域では洪水と旱害に悩み,昭和12年から俵原(たわらばら)池の築造に着手,同17年貯水量100万m(^3)の同池を完成した(俵原池顕彰碑)。同47年立岩川ダム建設着工,54年完成。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7202068