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冨士山
【とみすやま】


大洲(おおず)市柚木(ゆのき)・田口(たのくち)・菅田(すげた)町大竹・冨士(とみす)にまたがる山。標高320m。南から西へ山麓を肱川の清流が蛇行し,北は大洲盆地,東は菅田町菅田・徳森の丘陵地に続く。富士(ふじ)山に似た秀麗な山容で,山頂は西南西に高く東北東に低い細長い形である。東方に神南山,南東方に根太山,南方に梁瀬山,西北西に高山を通して金山出石寺を望み,北方は大洲盆地を隔てて壺神山,感応寺山の連山が望見される。山の母岩は輝緑岩で,山裾は洪積層台地となっている。南西腹に名刹如法寺がある。山頂からの眺望はよく,山全体が公園で,サクラ・ツツジなどの花樹が植えられ,春は行楽地としてにぎわい,秋は雲海に浮かぶ山々の景観がすばらしい。山頂付近に2個の巨石があり,大きいものは長径3.1m・短径2.3m・高さ1mで,その下方に同質の輝緑岩の塊石を挿入して巨石の保全をはかったものが土砂の流失で露出している。小さい方は,長径2.3m・短径1.5m・高さ約75cmで楕円形を呈する。両巨石は盤珪禅師の座禅石ともいい,市内の巨石遺跡の代表的な祭壇石として昭和31年9月30日市指定文化財となっている。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7202336