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直瀬川
【なおせがわ】


上浮穴(かみうけな)郡久万(くま)町東部を北から南に流れる川。面河(おもご)川の支流。延長14.3km。源は井内(いうち)峠付近に発し,七鳥(ななとり)で面河川に合流する。南北に直線状に走る流路は中央構造線と直角に交わる南北方向の断層線に沿うものと推定されている。上流には水田150haの開ける直瀬盆地があり,上浮穴郡随一の米の生産地。余剰米は久万と水田の少ない面河村に搬出された。米以外の農産物にはタバコ・抑制トマト・桑などがある。昭和45年度に実施した農業構造改善事業では,36haの圃場整備と26haの農地が造成され,タバコ団地と養蚕団地が形成された。盆地周辺の林野は第2次大戦前には肥場と茅場が多く,水田に投入する肥草と草葺屋根のカヤの採草地として利用された。昭和30年頃からは植林が本格化し,現在はほとんど人工林化している。竜宮淵のある峡谷の下流に下直瀬の平地があり,その下流は三波川変成岩が鋭くV字形に刻まれた峡谷である。古岩屋と岩屋の景勝地は古第三紀久万層群の礫岩が浸食されて形成されたもので,この川の下流域にある。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7202367