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成川渓谷
【なるかわけいこく】


北宇和郡広見町奈良川支流の渓谷。梅ケ成峠の北側に源を発し,広見町成川で奈良川に合流する。中流から上流にかけては,昭和35年滑床県立自然公園に,同47年には足摺宇和海国立公園に指定されている。また同49年には鳥獣保護区の特別地区に指定されている。渓谷は,上流では新生代新第三紀に貫入した花崗岩の中を,中流では花崗岩の貫入時に熱変成されたホルンフェルスの中を走る。直線状の谷は断層線に沿うものと考えられ,海抜340m程度の中流域に断層線に沿う冷泉の湧出をみる。泉質はラドンを含む単純泉で,昭和35年成川温泉として開設された。温泉より800m渓谷をさかのぼった所が千畳敷で,モミの巨木の間を縫って,花崗岩の谷床を清流が落下する。付近はキャンプ場になっており,屋外テーブル・休憩所・炊事場などが完備している。郭公岳に生息する野猿がときどき出没する。渓谷一帯の森林は国有林で,渓谷沿いを除いてはスギ・ヒノキの人工造林が進んでいる。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7202509