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八面山
【はちめんざん】


宇和島市・北宇和郡津島町・高知県幡多郡西土佐村にまたがる山。「やつらやま」ともいう。標高1,158m。宇和島市街の東方にそびえる鬼ケ城山の南東1.5kmにある。北に四万十川の支流目黒川が,南東に四万十川の支流黒尊川が,南西に岩松川の支流御代ノ川がそれぞれ源を発する。山腹斜面は急峻であるが,山頂付近には隆起準平原状の平坦面がみられる。地質はホルンフェルスであるが,これは新生代新第三紀に花崗岩が貫入した際,中生代四万十層群が熱変成して形成されたものである。周辺部に対して,比高の高い急峻な山地が形成された一因は,ホルンフェルスの堅牢な岩質が浸食に耐えたことによる。山地全体は国有林で,南西斜面は人工林,北斜面の滑床渓谷側と南東斜面の黒尊川の源流地帯は天然林である。標高900mくらいまでは,モミ・ツガなどの針葉樹にヤブツバキ・ウラジロガシ・タブノキなどの広葉樹が混合するが,それより上はミズナラ・ブナなどの広葉樹林が茂る。山頂付近の平坦面はススキの原である。一般的登山口は宇和島市野川で,ここから尻割山,毛山を経由し,約4時間で到達できる。また西側斜面を黒尊スーパー林道が横切る。山頂からは宇和海の眺望にすぐれている。足摺宇和海国立公園の特別地域に指定され,また鳥獣保護区でもある。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7202691