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二篦山
【ふたつのやま】


上浮穴(かみうけな)郡美川村の東部,高知県境近くにある山。山腹は急斜面であるが,山頂付近は隆起準平原状の平坦地となっている。峰は東西に2つあり,東のピークが1,190m,西が1,164mである。山頂付近は,東に続く高知県吾川郡池川町の雑誌(ぞうし)山にかけて国有林となっている。一面クマザサのおおう草原で山頂からの眺望に富む。山の西端の稜線上に巨岩の猿楽石がそびえるが,ここは藩政期に松山と高知を結ぶ土佐街道の通じていた所である。松山の札の辻から12里の標石と大師堂がある。南麓には二篦(ふたつの)の集落があり,昭和30年ころまでは山腹斜面の焼畑耕作が盛んであった。北斜面の中腹にある丸山は第2次大戦後の開拓集落で,18戸程度の入植農家があったが,昭和45年ころに廃村となる。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7202910