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平家谷
【へいけだに】


西宇和郡保内(ほない)町にある渓谷。佐田(さだ)岬半島の頸部,四国山地の西端をなす銅ケ鳴(どうがなる)を源とし,南流して宇和海北東部に注ぐ2級河川宮内川上流4kmにある。壇ノ浦の合戦後,西部伊予灘沿岸の伊方越(いかたごし)・河内(かわち)を経て当地に隠れ住んだという平家の落人伝説の地で,麓には両家(りようけ)・枇杷谷(びわだに)など平氏にちなむ集落がある。標高300~500mの渓谷にはマツ・スギ・ヒノキ・ケヤキなどを中心とする約1万m(^2)の平家谷自然林があり,かつては「不入(いらず)の山」と呼び,みだりに斧を入れることを禁じ,平家神社が祀られている。伊予市と保内町を結ぶ国道378号が通じ,国道沿いの渓流の樹間では夏季地元の老人クラブが運営するそうめん流しが行われ,涼味を求めて訪れる人が多い。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7202960