100辞書・辞典一括検索

JLogos

13

御代の川
【みよのかわ】


北宇和郡津島町北部を流れる川。延長7.2km。鬼ケ城山の南斜面に源を発し,南流して清重(きよしげ)で岩松川に合流する。流域にはほとんど平地をみず,川は鋭いV字谷を形成して流下する。ただ中流に戸数33の御代の川の集落があり,この部分にのみわずかな谷底の平坦地をみる。なお支流域にある稲が窪・大道(おおどう)の集落にはともに海抜350m程度の平坦地を持つが,これはかつての松田川の流路(浸食面)であった部分が,御代の川によって争奪された跡と考えられる。御代の川の最上流域,鬼ケ城南斜面には大久保山牧場があり,岩松川との合流点に近い下流域には山財ダムが建設されている。この川はアユの宝庫であったが,このダムによって,アユ漁は消滅する運命にある。なお御代の川の集落より奥地の林野は国有林で,昭和30年代までは,その原木払下げによる製炭業が盛んで,御代の川の住民の大部分はこれに従事して生計をたてていた。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7203418