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梁瀬山
【やなぜやま】


大洲(おおず)市菅田(すげた)町大竹(おおだけ)の小倉の少彦名神社を囲む北斜面一帯の山。標高372m。少彦名命にまつわる伝説の地で,少彦名命が肱川を渡ろうとして溺死し,その遺骸をこの山に葬ったという地「お壺谷」は梁瀬神陵となった。永享13年に大願主宇都宮太郎次郎が少彦名命を祀った廟に掲げた額が今も残る。近世に入り大洲藩はこの神陵のある地に神社を建てると,勅使の接待,神社の造営維持に多大の出費を要し,かつ城下に近いため藩は古記録等を没収し湮滅を図ったという。昭和2年に及び,地元では梁瀬神社奉讃会を組織し,神陵の保全,神社建設運動を起こし,昭和6年に起工し翌7年に現在の神社の完成をみた。昭和33年国鉄伊予大洲駅前に少彦名神社の大鳥居が建設された。梁瀬山の神陵は,入らずの山として神秘に包まれていたが全山新しく植林された。なお梁瀬山付近の紅葉山の西側9合目から上に,広大な巨石建造物が残っている。山頂に向かって3段に築かれ,下段のものは2 m大の9個の巨石が3~4 m間隔に,中段には5個の巨石が 5m 間隔に,上段には4個の巨石が5 m間隔に,破口を揃え頂上に向かって同心円の弧を描くように上面が水平に配列されている。神陵とこの巨石遺跡の関連等はまだ解明されていない。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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