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譲ケ葉森
【ゆずりがはもり】


北宇和郡津島町北東部にある山。標高1,019m。山腹斜面は急峻であるが,山頂付近には隆起準平原状の平坦面がある。地質は中生代四万十層群の砂岩と頁岩の互層よりなる。津島町の中心部高田や清満(きよみつ)地区から,その端麗な姿が遠望できるので,津島町では篠(ささ)山と並ぶ名山に数えられている。山腹斜面は旧御内村と山財村の入会採草地で,のち御槇(みまき)村と清満村の村有林となる。大正年間までは春彼岸ころ,地元住民総出の山焼がなされ,地元住民が肥草用の採草に入会していた。昭和初期ごろからの植林事業で,現在は山頂の一部を除き人工林(地元住民の財産区有林と県有林)となっている。なお,地名の由来は,この山に譲葉の木が多く自生していたことによったものといわれる。また西側斜面の大道開拓は海抜500~600mの山腹緩斜面に立地した約20戸の開拓集落(面積46haの代行開拓)で,入植は昭和21年に始まった。一時は養蚕や酪農なども行われていたが,営農は安定せず,昭和48年に廃村となった。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7203551