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湧ケ淵渓谷
【わきがふちけいこく】


松山市宿野町,石手川上流の渓谷。両岸に奇岩が重畳して河水は淵や急流となり,渓谷美を呈する。大蛇の伝説で有名。湯山村庄屋の記録である「三好家記」によると,この淵に大蛇がすみ,美女に化けて村民を悩ましたので,鉄砲の名手で河野氏の家臣三好秀吉の長男秀勝が,この大蛇を打ちとめたという。一説には,庄屋半蔵が退治したとも伝える(伊予郡郷俚諺集)。第2次大戦後この地域から温泉が発見され,湧出量も道後温泉より豊富で,浴場をはじめ種々の近代施設が整備され,奥道後温泉として発展。湧ケ淵を含む地域を奥道後と呼び,観光地に変貌しつつある。湧ケ淵のほとりには,京都の金閣寺を模して建てられた錦晴殿がある。湧ケ淵自然公園は標高110~230m,面積約29haの市有林を昭和35年に開設したもので,四国の自生植物が集められ,野鳥の声を聞きながら散策が楽しめる。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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