伊尾木川
【いおきがわ】

伊尾木川水系の本流。２級河川。県の南東部，安芸市東部を北から南に貫流して土佐湾に注ぐ。流路延長42.8km。安芸市北端の別役(べつちやく)北東部の駒背越山（皆山集ではコマジコヘ山）に発し，南南西流して，安芸市川北の松田島付近で土佐湾に注ぐ。江戸期の「土佐州郡志」は「伊尾喜川　或曰安芸東川　其源出于別役村，経畑山，栃木，川地，伊尾喜，松田島，始入海」と記す。上流には伊尾木ダムがあり，上流から高橋川・横荒川・小川(おごう)などの支流がある。明治15年の「高知県統計抄」には橋と渡し場として「井ノ瀬仮橋・東川ノ渡」が記され，東川ノ渡は川北にあって水幅15間，船渡賃は人で３厘，牛馬５厘であった（皆山集）。流域はほとんど山地帯で，最下流部のみ安芸平野の一部を形成する。上流部は林業地帯で，横荒川付近には横荒川モミツガ天然生林もある。下流部，奈比賀地区中角には伊尾木川発電所もある。

KADOKAWA 「角川日本地名大辞典」 JLogosID : 7203880