100辞書・辞典一括検索

JLogos

10

石土池
【いしづちいけ】


南国市の南西端部,土佐湾岸に臨む十市(とおち)にある池。面積5.9ha。最深部の水深9.1m。十市海岸の砂堆背後の湿地帯で,かつての入江が閉塞,埋積縮小されたもの。東方の坪池も,天正15年の十市郷地検帳では湿地のため田地に算入をみなかったように,かつては池が存在し,また西方の高知市仁井田にも住吉池があり,増水時には石土池の水は住吉池に流入する。このような地形形成を考慮して,「土佐日記」記載の大湊をこの付近に比定する説もある。石土池の南西方に,延喜式内社の石土神社があり,名称の関連性が推測される。石土は元来「延喜式」に見える鍾乳の「石乳(いわちち)」から転じたもので(志賀剛:式内社の研究),「いわつち」と称されたと考えられるが,現在は「いしづち」と呼称され,高知県に多い石鎚山信仰の石土神社と混同されやすい。排水設備も次第に整えられ,周辺の水田灌漑のみならず,砂堆上の施設園芸地の畑地灌漑用水源の1つとして活用され,周辺には,公営の住宅地区開発計画のパークタウン計画も具体化している。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7203939