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稲葉洞
【いなばどう】


高岡郡東津野村船戸の都付近にある鍾乳洞。不入(いらず)山の東斜面,四万十(しまんと)川の源流部に位置する。四国カルスト県立自然公園に属する。以前から存在は知られていたが,昭和35年以降調査が進み,当洞以外にも付近には不入洞(従来,別の洞とされていた美谷古洞とつながる)などの鍾乳洞の存在も判明した。地質的には,秩父帯の虚空蔵山層群(古生代)に属する石灰岩中に発達したもので,上・中・下の3つの洞からなる。内部はつながっており,それぞれ支洞を発達させているが,川床面下の部分も多く,渇水期でないと入洞できない部分も多い。中・下の洞には,特に鍾乳石・石筍・千枚皿などの発達がみられる。全貌は明らかでないが,洞は少なくとも数百m以上続いていることが知られている。洞付近には,伏流水の湧水地帯にセイラン(淡水ノリ)の自生地がある。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7204042