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宇佐坂
【うさざか】


土佐市南部の古道上にある坂。土佐市の宇佐地区を北上し,同地区萩谷を経て,中口山(232.9m)と横瀬山(296.6m)との間の谷を塚地に出,土佐市高岡町に至る古い山道中で,中口山北側が標高約190mの塚地峠となっている。ほかに,新居坂から海岸回りで新居に出て,和田峠を経て高岡町に達するルートもあった。江戸期には,宇佐坂経由の道が,高岡一帯から宇佐浦の藩の米蔵に貢租米を搬送する主要道であり,清滝寺から宇佐町竜の青竜寺に向かう遍路道としても利用された。文政3年に高知城下の商業を保護するため方限を設け,その範囲以遠の郷浦からの売買を禁ずる定めが出された際,西の方限として名古屋坂とともに宇佐坂が指定されている。近代以降は次第に新居経由のルートが主要道筋となり,宇佐坂は現在山道と化したが,近時ハイキングコースとして利用されている。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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