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久礼坂
【くれざか】


高岡郡の中土佐町と窪川町の境界にある七子峠までの坂道。標高約298mの七子峠から中土佐町久礼に至るまでは土佐湾に向かって東に急傾斜し,高南台地東縁辺をなす火打山脈の北端にあたる。この付近は分水嶺が海岸近くに迫り,しかも土佐湾の部分が沈降したために急斜面を形成している。古来,海岸の久礼付近から高南台地へ通じる主要な坂道・通路は,西方の四万十(しまんと)川上流松葉川流域の高岡郡大野見村方面へ抜ける本蚯蚓(ほんみみず)や添蚯蚓(そえみみず),久礼から中大坂峠を経て奥大坂の谷を登り七子峠に至るものなどがあった。いずれも曲折急坂で,特に県の中央部と幡多地方を結ぶ主要往還にあたる久礼坂は難所で,交通上の障害となっていた。近代以降,道路の整備が進められ,大正9年県道高知中村線,昭和28年2級国道,同38年には国道56号となった。同45年,久礼第1~4トンネルの掘削による直線化が図られるなど改修が進められ,時間の短縮化をはじめ障害も緩和された。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7205472