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治国谷
【じごくだに】


高知市南西部,丘陵性の鷲尾山脈にある谷。地国谷(明治43年地形図),地獄谷(高知市誌)とも書く。鷲尾山県立自然公園のうち。柏尾山(323.1m)の北麓にあたり,西は吾川(あがわ)郡春野町との境界に至る。仏像構造線北側に位置する秩父帯の石灰岩地。治国谷鉱山と称し,大正年間から昭和35年頃まで高知市孕東町にある日本セメント土佐工場(旧土佐セメント)の石灰岩の切出地であった。運搬は東方の高知港に臨む工場まで丘陵上に敷設された索道によったが,その後,同社の鉱山は吉良ケ峰にかわり,索道は撤去された。谷の東方には高知市神田(こうだ)から春野町芳原への山道が通じ,春野町との境に白土峠がある。谷西方には主要県道高知春野線(高知市神田上町5丁目~春野町仁ノ)が通じる。近くに石土神社奥の院や牧場もあり,ハイキングコースともなる。地獄谷の名称は,断層線に沿い石灰岩が断崖をなして露出した景観のすさまじいことによるという。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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