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名古屋坂
【なごやざか】


土佐市戸波地区樫佐古から須崎市吾桑地区千々川に至る山越えの旧道。標高150mほどの峠は,土佐・須崎両市の行政界でもある。古来,当坂は高知市方面から県西部の幡多郡方面に通じる主要往還にあたり,近世,高知城下商業保護のため設けられた商圏の西限の1つにも選ばれた。近代以後,明治期すでに峠付近の標高146mの地点に隧道が通じるなど整備され,第2次大戦後まで利用されたが,昭和32年名古屋隧道(全長327m,幅員6m)が新たに坂の下に開通し,現在の国道56号もここを通過したので,坂道は旧道となり,敷石など往時の面影を残すのみとなった。なお,この峠道の北1km,虚空蔵山(674.7m)南麓に地質学上の仏像構造線名で有名な集落仏像がある。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7207195