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北幡
【ほくばん】


幡多郡北部一帯の汎称地名。大正町・西土佐村・十和(とおわ)村の1町2村からなる。面積611.01km(^2)。人口1万2,958人(昭和60年)。中世から明治初期にかけて,現在の北幡地方にあたる地域に上山郷・下山郷の行政領域区分があった。北幡の汎称の生まれた時期は不明であるが,近代以降のことと思われる。明治11年の郡区町村制施行により幡多郡役所が中村に置かれ,さらに同21年に市制町村制,同23年に府県制・郡制が布かれ,地方自治体制が整備された。この頃から郡役所の置かれている中村地区(現中村市)を中央,中央から北を北幡,東を幡東(現大方町・佐賀町),西を幡西(現宿毛(すくも)市・大月町)というようになったといわれる。これは行政区としての呼称ではなく便宜上の地方としての呼称にすぎない。北幡は四万十(しまんと)川中流から上流部に位置し,白亜紀四万十川層群の地質で構成されている。大部分が山地で,四万十川およびその支流の檮原(ゆすはら)川・広見川・目黒川・黒尊川流域に狭小な沖積平地がみられる。全般に標高も高く,年平均気温は15.8℃前後で幡多地方では寒い地域である。林業が盛んで,シイタケ・クリ・茶などの栽培が行われ,県鳥の八色鳥が生息している。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7208045