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松田川
【まつだがわ】


松田川水系の本流。2級河川。愛媛県北宇和郡津島町に源を発し,宿毛(すくも)市を経て,宿毛湾北東部に注ぐ。流路延長35.4km,流域面積134.3km(^2)。津島町南部を東西にのびる篠山(1,064.6m)山地の北斜面の水を集めて東流し,県境付近で流れを南東に変え,坂本で奥藤・下藤から南東に流れてきた支流を左岸に合流。還住藪から南東に流れてきた京法川を橋上で右岸にあわせ,野地付近から流れを南西に変え,篠山南部の水を集めて南東に流れ出た篠川を二ノ宮で右岸に合流して,宿毛市街地東側を南流し,荒瀬山にあたって流れをほぼ西に変え宿毛湾に注ぐ。平地は少なく,橋上付近から下流にかけて帯状に分布する沖積平地と,中筋地溝帯の西端にあたる宿毛・和田の沖積平地がみられ,宿毛平野を形づくっている。上流の橋上町出井付近の地質は白亜紀四万十川層群の砂岩・頁岩からなるが,黒雲母花崗岩が貫入しており,この花崗岩の東端から約200m,幅40mの河床に大小200余りの甌穴群がみられ出井渓谷として,独得の景観を呈している。この甌穴群は昭和39年出井渓谷の甌穴群として県天然記念物に指定されている。楠山では大正7年から昭和48年まで水力発電が行われていた。中流の坂本付近には多目的ダム建設が予定されている。下流の河戸には万治元年に野中兼山により改築された河戸堰があり,宿毛の水田を潤している。河戸堰とその宿毛水門は昭和40年宿毛市史跡に指定されている。上流の橋上町出井付近は宿毛県立自然公園に属する。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7208157