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御蔵洞
【みくらどう】


室戸市南端,室戸岬町にある海食洞。室戸岬を東側に回った付近,国道55号沿いの内陸側にある。室戸阿南海岸国定公園に属する。高さ3m・奥行18mで,入口は幅3.5mほどであるが,奥は幅16mと広がる。「土佐州郡志」にいう御厨人窟で,弘法大師空海が毒蛇を退治して,権現と明星之像を安置したという伝承が記載され,土地の人は「みくろうどどう」と呼称している。奥に祀られている石造の五社権現社殿は,2代土佐藩主山内忠義が再興したもの。室戸阿南海岸国定公園の特別保護地区内でもある。付近は,空海が19歳の時,阿波から移り修行した地で,南西200mの所には,大理石丸彫りの如意輪観音半跏像のあった一夜建立の岩屋(観音窟),求聞持堂跡,北側には神明窟があり,海食台上のポットホールの1つには行水の池の伝承が残るなど空海ゆかりのものが多い。縄文海進によってつくられた海食洞と考えられ,約1,000年前には,汀線は洞底面約7m下位にあったと推定される。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7208209