南小川
【みなみおがわ】

１級河川吉野川水系の支川。県北部を流れる。流路延長約14kmの西流河川。徳島県東祖谷山(ひがしいややま)村との境，京柱峠付近に源を発し，国鉄土讃本線豊永駅付近で吉野川本流に合流する。本流が主として東流するのに対して逆川形態を示している。それは南小川の南岸約１km付近を東西に走る御荷鉾構造線（地質的大規模断層線）の影響を受けた，いわゆる断層谷が形成されたためである。その断層との関係と構成岩石（黒色および緑色片麻岩）の分布からくる地滑り地域のため，南北両岸ともその中腹部に緩斜面が形成され，水田や集落の発達をみる流域となっている。主な支流には，南からほぼ直角に北流する南大王川，沖野々川などがある。河川の浸食力は，下方浸食が目立つ早壮年谷の下部Ｖ字谷型の河川である。なおこの流域には地滑り指定，要指定地域は14区画の多くを数える。

KADOKAWA 「角川日本地名大辞典」 JLogosID : 7208266