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山田上井川
【やまだうわゆがわ】


物部川下流部から取水する用水路。香美郡土佐山田町神母ノ木(いげのき)にある山田堰から,物部川右岸を西流する。正保2年,野中兼山によって,長岡台地の新田開発のため造られた。山田堰から約150m北の取入口に旧水門があり,それから下流数十mの間は岩石を掘削して水路が造られた。もともとその南方30~40mの所に古くから水門が設けられていたが,取水が円滑でないため,兼山が新しく付け替えたものという。水門は高さ2.7m,長さ4.5m。井筋は深さ0.9~1.8m,幅3.6~5.4mで西方に約5km流れ,旧山田野地村字中須(現土佐山田町)から数条の分水路を派出し,旧山田町(同前)・長岡村(現南国市)の約1,300haを灌漑していた。旧山田堰の老朽化と物部川の堰の集中化を図るため,昭和48年3月,600m上流に合同堰が建設され,山田堰は機能を停止した。これに伴い山田上井川の水門は閉塞され,現在は,合同堰から取水している。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7208561