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渡川
【わたりがわ】


四万十(しまんと)川の,河川法による指定名称。高岡郡東津野村不入(いらず)山東斜面の源流から,窪川町・幡多郡西土佐村江川崎・中村市中村を経て,中村市下田で土佐湾に注ぐ高知県第一の長流。河川法による1級河川に指定され,その名称は渡川と定められている。このため,別称四万十川の代わりに,本流の総称として渡川をとる場合も多い。本来,渡川の名称は,長宗我部地検帳の記載などからみると,中村の町部および不破付近の限られた地点の呼称であったらしい。18世紀前半の「土佐州郡志」でも,中村以南の下流に限定された部分称であり,全流路名は四万十川とされ,19世紀前半の「南路志」でも,渡川は四万十川の末流としていた。江戸期には,総称としては,四万十川が一般的であったらしい。本流の上流部では,現在なお松葉川のような部分称の呼称は残っている。四万十川の語源については,諸説がある。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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