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板櫃川
【いたびつがわ】


北九州市の小倉北区・八幡東区を流れる2級河川。古くは産(うぶ)川とも呼んだ。福智山地の北辺を源流とし,北東流して響灘に注ぐ。流長9.7km,流域面積25.42km(^2)。川名は到津の転訛という。歴史的に重要な河川で,上流の八幡東区石坪町付近では,板櫃川の支流大蔵川・槻田川が形成したなだらかな微高地上の,高槻遺跡から竪穴住居や貯蔵庫などの大集落跡が発見され,沿岸は,弥生時代から開発されていた。中流域では,天平12年9月,藤原広嗣の乱に際し,広嗣軍1万余騎が河西に陣し,大将軍大野東人率いる官軍6,000余と対したが,官軍側の呼びかけに応じ投降者が続出,広嗣は戦わずして敗走した(続日本紀)。また,文治4年に宇佐八幡を勧請して到津八幡宮が創建され,一帯に到津荘が形成された。江戸期の板櫃川は紫川同様,小倉城の天然の外堀とされ,城の西側を固めた。下流域は近年埋立てが行われ,西港臨海工業地帯となっている。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7209163