100辞書・辞典一括検索

JLogos

26

糸島平野
【いとしまへいや】


前原(まえばる)市・糸島郡志摩町・二丈町と福岡市西区の,旧糸島郡に広がる平野。狭義には佐賀県境の雷山山塊と玄界灘に突出した糸島半島丘陵地との間の平野で,雷山山塊から北流する瑞梅寺川や雷山川の扇状地,東西に長い沖積低地の中通りなどからなる。中通りはかつての古糸島水道が両河川の堆積物で埋積し,下流域に近世以後の干拓が行われてできた低地。糸島は古代の伊都国の地とされ,志登支石墓群・三雲遺跡・平原遺跡をはじめ平野の各所に古代遺跡が分布。郡名は明治29年に怡土(いと)・志摩両郡の合併で誕生。米麦を中心に野菜・イチゴ・花卉・水田酪農・養鶏などを行う近郊性を帯びた農村地域で,雷山山塊山麓の「山つき」では酒造米がとれ,平野に面する丘陵地では糸島ミカンの栽培のほか花卉栽培や養鶏・養豚も盛ん。中通り低地は福岡市・唐津市(佐賀県)を結ぶ回廊となり,国道202号と筑肥線が並走。昭和58年の筑肥線と福岡市営地下鉄との相互乗入れなどにより,沿線を中心に住宅地化が急速に進み,道路・上下水道・塵芥などの都市問題の発生・進行や営農環境の悪化などとともに古代遺跡の保存も課題となっている。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7209218