内ケ磯渓谷
【うちがそけいこく】

直方(のおがた)市頓野の内ケ磯にある渓谷。遠賀(おんが)川水系彦山川の支流福地川の源流域に位置し，福智山への登山コースにあたる福智山（内ケ磯）池から大塔ノ滝までの約４kmをいう。落差約10mの大塔ノ滝付近は，清流や奇岩・自然林が広がる。渓谷入口の福智山池は，昭和29年に完成した農業用ダム湖で，湖岸沿い3.5kmにわたってサクラが植えられ，近郊の行楽地となっている。池の南側に，日本武尊が熊襲征伐の戦勝報謝のために造営したという社伝をもつ鳥野神社が鎮座し，社域は夏季に青少年のキャンプ場として開放される。池から渓流に沿って２kmの二ノ瀬には，高取焼の祖八山（高取八蔵）が高取窯を永満寺宅間（直方市）から移した内ケ磯窯跡がある。

KADOKAWA 「角川日本地名大辞典」 JLogosID : 7209449