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小倉平野
【こくらへいや】


北九州市小倉北・小倉南両区に広がる沖積低地。北東の企救山地と南の福智・貫両山地との間に展開する市域最大の平野で,狭義には,響灘に注ぐ紫川流域低地を指し,周防灘に注ぐ竹馬川流域低地は曽根平野という。狭義の小倉平野は,企救平野ともいい,東西5km,南北6kmの三角州性低地で,北流する砂津川・紫川・板櫃(いたびつ)川・境川などにより押し流された土砂により形成され,古くは「万葉集」に歌われた広範な沼沢地,企救の池が展開した。その名残は,北方(北の干潟)や南方(南の干潟)などの地名に見いだせる。紫川の河口付近には,慶長5年に細川氏の手で大規模な築城が行われ,明治期に入ると近代的工場の立地や軍都・商業都市としての市街地の形成が進んだ。平野の南部は米を中心に,野菜栽培などの生産が進み,近年は宅地造成が著しい。曽根平野は,近世の新田開発などにより水田農業地として拡張されてきたが,近年国道10号沿いでは工業用地への転用が進む。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7211132