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多々良川
【たたらがわ】


嘉穂郡筑穂町から福岡市東区へ流れる2級河川。篠栗(ささぐり)川ともいう。流長17.4km,流域面積199.3km(^2)(4支流を含む)。嘉穂郡筑穂町内住に源を発し,大小の流れを集めて西流,粕屋郡粕屋町江辻の西山の鼻で久原川(直前で猪野川と合流)を合わせ,さらに福岡市東区の箱崎地区で宇美川(直前で須恵川と合流)と合し,名島地区との境界で博多湾に注ぐ。福岡市民の重要な水道源の1つで,上流の久原ダムと多々良水源池から1日3万5,000tを取水。また将来の都市人口の増大に対応すべく上流に猪野ダム(粕屋郡久山町)・長谷ダム(福岡市)・鳴淵ダム(同郡篠栗町)を築造し,既設の久原ダムを含めた多々良川水系の開発事業計画(開発水量1日7万4,800t,工期は昭和54~61年度)を実施。昭和35年頃,粕屋炭田の多くの炭鉱は閉山し,水質汚濁の程度も減少しつつあったが,近年の急激な宅地化と下水道の未整備により水質汚濁が進行。特に宇美川・須恵川は粕屋郡南部の人口急増地帯を流れるため汚濁の程度は大きい。河口付近から西の筥崎宮にかけての地域は,鎮西の要衝,博多の出入口にあたり,古来たびたび合戦場となり,建武3年には,九州に落ちた足利尊氏の兵1,000騎と菊池武敏の6万余騎の決戦場となった。河口には干潟やデルタ地形が見られる。河口左岸には,福岡市最大の流通センターがあり,多くの問屋・倉庫・運輸などの企業が進出している。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7212546