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筑紫耶馬渓
【ちくしやばけい】


筑紫郡那珂川町市瀬にある那珂川の渓谷。釣垂(つだる)峡ともいう。町の南部,那珂川の上流部に位置し,釣垂橋付近から下流中原(なかばる)の南畑発電所まで約1km続く。筑紫耶馬渓の名は,昭和25年に西鉄バス停名に筑紫耶馬渓口を用いたことに始まる。佐賀県境の背振山に源を発する那珂川が,花崗岩台地を開析してできた峡谷で,河床には多くの甌穴が分布し,転石や両岸の白い奇岩・怪石,樹林,清流で知られる。往時は水量が豊かで,大分県の耶馬渓に劣らない渓谷美を誇ったが,同38年の洪水で大被害を受け,洪水調整・上水道取水を目的とした南畑ダムが完成した同40年以降は,流量が激減し景観は単調になった。しかし,渓谷沿いの国道385号の舗装整備で交通事情が良く,春の桜,秋の紅葉の見物客は年々増加,名物のヤマメ・ニジマス料理の店もあり,背振雷山県立自然公園に含まれる福岡市郊外の行楽地となっている。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7212679