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御笠川?
【みかさがわ】


太宰府市から福岡市博多区へ流れる2級河川。流長20.7km,流域面積約100km(^2)。宝満山山中の太宰府市大宰府に源を発し,福岡平野を北西流,福岡市博多区の石城町と千代地区の境界をなし,博多湾に注ぐ。途中で最大の支流鷺田川や多くの支流を合わせ,下流の福岡市街地では石堂川と通称。古代の大宰府防衛に重要な役割を果たした川で,大宰府から福岡平野への出口には,白村江敗戦の翌年,天智天皇3年に築かれた水城の堤防が二日市構造谷を横切って今も残り,近くには,下流部の通称の基となった石堂丸伝説で名高い刈萱関跡がある。このほか流域には,有名な板付遺跡をはじめ,近年発掘された御笠川南条坊遺跡など弥生期から戦国期に至る多くの遺跡が残るが,宅地化が進み,下流右岸の博多区上臼井には福岡空港が所在。一時期,生活用水の流入で博多湾に注ぐ河川中最も汚濁度の高い川といわれたが,昭和48年7月の集中豪雨による出水以降,県・市による河川改修事業が本流および鷺田川などで行われ,現在では福岡市ほか近隣市・町の上水道に取水される。上流域は太宰府県立自然公園の一部をなす。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7214821