100辞書・辞典一括検索

JLogos

17

有田川
【ありたがわ】


大里川ともいう(疏導要書)。有田川水系で,22の支流を持つ。黒髪山(516m)に源を発し,西松浦郡有田町で丸尾川・上南川良(かみなんがわら)川・黒牟田(くろむた)川を合わせて西有田町に入り,蔵宿(ぞうしゆく)川・広瀬川・浄源寺川・唐船(とうせん)川などを合わせて伊万里(いまり)市二里町に入り吉野川・大里川などの支流を合わせて伊万里湾に注ぐ川。2級河川,延長20.1km,流域面積76km(^2)。上流部にある白川(しらかわ)のほとりは,わが国における磁器焼造発祥の地で,川の水力は陶石粉砕の動力として明治末期まで存続した。有田皿山水碓総代が長崎県令内海忠勝に送った「官林中ニ有之水碓床払下之義」という願書によれば,水碓(みずうす)(水の重みで杵を上下させる仕掛臼)の分布は,倉谷・岩崎・評定(ひようじよう)場・稗古場(ひえこば)・猿川大谷・大谷などの川畔である。また,舟運にも利用され,窯業の町有田の繁栄の一原動力をなしてきた。上流部は多雨地で,文政11年,昭和23年,同42年,記録的洪水に見舞われた。現在では,白川に県営の多目的ダム有田ダム(昭和36年完成)のほか,古木場(ふるこば)ダム(同55年完成),広瀬川に竜門ダム(同50年完成)などがつくられている。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7215887