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大詫間島
【おおだくまじま】


佐賀郡川副(かわそえ)町,筑後川河口にある島。面積9.44km(^2),人口2,563(昭和50年)。行政区画は南部は川副町大詫間島,北部は福岡県大川市大野島で2県にまたがる。「有明干拓史」によると,慶長6年筑後藩士津村三郎左衛門が数十町の潟地を干拓,元和2年大野島と称したとある。大詫間島は「慶長国絵図」に記されていない。島の「八大竜王社記」によると,鍋島勝茂が大野島の寄州に占有権を示す竜王の神石を建て,その神石を中心に土砂が堆積し,元和9年に八大竜王の神祠を同所に建てた。寛永のころ干潟が成長して肥筑の境界争いが起きたが,正保年間肥筑の和議が成立,千栗(ちりく)八幡の神幣を流して境界を決定した。そのとき佐賀城下白山町武屋(武富家の先祖)が竜王社の北東に当たる泥土地に搦50町歩を築いて,大詫間村と称したとあり,大野島・大詫間の成立過程がうかがえる。島は米作中心の豊かな農村地帯で,漁業との兼業農家も多い。海苔の養殖日本一の有明海沿岸の一角を占める。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7216260