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寒水川
【しょうずがわ】


綾部(あやべ)川ともいう(疏導要書・養父郡村誌)。1級河川筑後川水系の1支流。地形図では上流部が綾部川,下流部が寒水川となっており,県河川管内図では上流部を含め寒水川と総称している。三養基(みやき)郡中原(なかばる)町の北部,福岡県との境にある七曲峠付近に源を発し,同町を南流し,同郡北茂安(きたしげやす)町・三根(みね)町を通り,筑後川の旧蛇行開平江(かいたいえ)川に注ぐ川。延長12.7km。渓口部には中原町山田を扇頂とする綾部扇状地を形成しているが,この扇状地は,当川の水を一瀬井樋(いちのせいび)から分水した簑原(みのばる)水道(中原水道)の開削などにより,古くから水田化された。上流部の古田原(ふつたばる)の南西部にある鷹取山(403.5m)の麓からは縄文時代の土器や古代の製鉄所があったことを示唆する鉄滓が多量に出土した。流域の粘土でつくった土鈴「寒水がらがら」は英彦山神社(福岡県田川郡添田町)の魔よけのみやげである。この川の水利慣行として,くじ引きで配水日割を決めるのがあるが,これは明治17年の水争い以後続けられているものである。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7217254