100辞書・辞典一括検索

JLogos

9

白川
【しらかわ】


有田(ありた)川水系の1支流。西松浦郡有田町最北端にある黒髪山に源を発し,南流し有田ダム(白川ダム)を経て,中樽川と合流して有田の市街地を蛇行し,大谷池付近に源を発する猿川を合わせて,2級河川有田川に注ぐ川。延長6km。当川の渓谷を含む一帯は磁器原料となる流紋岩からなり,白い露岩や奇岩がそびえ,白川の名もこれにちなむと思われる。この渓谷にある上白川天狗谷(てんぐだに)は,17世紀初め李参平が築窯したわが国磁器焼成の草分けの地である。「金ケ江旧記」の文化4年の記事に「其砌皿山儀ハ深山ニテ田中村ト申候テ僅カニ田畠ニテ百姓相立居其末石唐人御含ニヨリ段々見迫リ候処今ノ泉山ニ陶石ヲ見当リ第一水木宜敷初ハ白川天狗谷ヱ釜ヲ立テ」とこの地の様子を記している。窯業の発展は,燃料としての山林の乱伐を促し,山林荒廃を招いたため洪水が頻発した。今では,上流に有田ダムがつくられ,本流の有田川水系にはこの他古木場(ふるこば)ダム・竜門ダムがあり,上水・用水・洪水調節の役目を果たしている。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7217290