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徳須恵川
【とくすえがわ】


波多(はた)川ともいった。松浦川水系の1支流。伊万里(いまり)市南波多町の大陣岳(268.8m)の北麓付近に源を発し,府招(ふまねき)川・大川原川・原屋敷川などを合わせて北流し,板治川・志気川を合わせ,東松浦郡北波多(きたはた)村を行合野川・稗田川・岸山川・田中川などを合わせて貫流,さらに,唐津(からつ)市に入り山田川・大谷川を合わせ,1級河川松浦川に注ぐ。延長17.5km。中流部,北波多村大字徳須恵字瀬戸口付近の川底で,昭和13年徳須恵支石墓が発見された(佐賀県の遺跡)。また,同村大字田中には,中世,岸岳城の脇城として造られたという田中城跡がある。当時この川は,同城の北西部を流れ,自然の堀の役を果たし,大門口に玉ケ橋があった。「松浦拾風土記」に「玉ケ橋,田中村に有り,往古大川薗より此川筋橋の下を流る。志州公掘り替えられ,今の所に成る」と記している。「肥前国産物図考」(天明4年)には,北波多の岸山村での石炭採掘の模様が描かれ,当川を下る石炭船も記されている。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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