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浜川
【はまがわ】


錦浪(きんろう)川ともいった(鹿島志)。浜川水系で,多々良川・小川内川の2支流を持つ。鹿島市最南端にある経ケ岳(1,075.5m)の北東の谷に源を発し,浸食谷を北流し,同市浜町の市街地を経て有明海に注ぐ川。延長11.2km,2級河川。「疏導要書」の浜川の項に「広十五間深二三尺 此川水上多良岳の北ノ谷ヨリ打出シ,赤岩村・中尾村・古枝村・大村・八本木村等ノ作水トナリ,浜町ヨリ海辺ニ打出ス。道法凡二里ホトナリ」と記している。また「藤津郡村誌」には「深処干潮五尺 浅処二尺 広処十八間 狭処十三間 舟筏ヲ通スル所五丁 其質清淡ナリト雖モ潮水干満スルニ依リ下流ハ濁鹹ナリ 水源ハ山浦村ノ片木山ヨリ発シ 諸流ヲ合セ村ノ西方古枝村ヨリ来リ北流シテ有明海ニ注ク 長サ十九丁余」とある。中流付近の集落下古枝には,鎮西(ちんぜい)の日光と称される祐徳稲荷がある。川口付近の浜町は,藩政期には長崎街道および脇街道の宿(浜宿)があり,また漁港・商業港として栄えた(鹿島志)。この漁港舟津からは,明治23年ころから昭和18年ころまで朝鮮海峡や東シナ海方面へ出漁した。第2次大戦後有明海内海漁業に戻ったが,今日では養殖漁業中心に変化している。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7218261