100辞書・辞典一括検索

JLogos

12

本庄江
【ほんじょうえ】


1級河川嘉瀬川水系の1支流。佐賀市鍋島町国鉄長崎本線付近を最上流に,周辺の小河川の流水を集めて,本庄・西与賀(にしよか)両町を南流し,有明海に注ぐ川。延長8.1km。当川は戦国期の武将少弐政資が文明14年開削したといわれる。今日,排水河川としての機能を持つが,藩政期は運河としても重要な役割を持った。長崎へ行くのに「いさはやとかいばへ」の標識をたよりにこの川から有明海を経て,諫早(いさはや)へ渡る水路も利用された。佐賀市西与賀町今津には,藩の船屋敷が設置,また同町丸目には番所も設置された。上流付近で,多布施(たふせ)川から分流した天祐寺川が合流する。佐賀藩は嘉永3年に多布施に反射炉を築き,同6年に築地で大砲を製造した。当川と多布施川を結ぶ水路は,このための原料や製品の輸送路としても利用された(佐賀市史)。今日,市公共下水道排出,流域の水害解消を図るための湛水防除事業,防潮水門の建設,上流部の排水機能拡大など,当川の大きな変容が迫られている。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7218635