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相浦川
【あいのうらがわ】


佐世保市内を流れる2級河川。市内北部を西流し,皆瀬付近から南流して九十九島湾に注ぐ。主な水源は隠居岳と国見山で,途中に久保仁田川・小川内川・牟田川・小野川・高尾川・野中川・池野川など13の支流を合流する県内第三の長流。流路延長20.04km・流域面積69.21km(^2)。流域の地質は標高約300m以上の上流に玄武岩をみるが,中流・下流は相浦層群と呼ばれる第三紀層砂岩と頁岩からなる。河床にはポットホールが散見されたが河川改修工事でほとんど消滅した。流域面積が広いことから相当・川谷・転石(ころびいし)・岡本・菰田(こもだ)の水源池があり,佐世保市の飲料用水の大部分をまかなっている。上流の市内松瀬町には縄文時代から古墳時代の生活跡で知られる岩下洞穴,同瀬戸越町には日本最古の縄文土器で豆粒文土器の出土で知られる泉福寺洞穴遺跡がある。上流の柚木や中流の中里にはかつて炭鉱があって石炭の産地であった。石炭輸送に活躍した国鉄柚木線は昭和42年に廃止されサイクリングロードとなっている。下流域の川下町一帯は平戸藩直営の新田として17世紀中頃に干拓されたところである。現在は県立国際経済大学と隣接して総合運動公園となっている。周辺には長崎短期大学が進出,住宅団地ができ人口も急増している。市内大潟町も19世紀中頃に干拓された新田である。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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