100辞書・辞典一括検索

JLogos

15

相ノ島
【あいのしま】


中通島の東方にある無人島。南松浦郡有川町に所属する。面積0.55km(^2)。有川町太田郷の南東5kmに位置する。「五島通史」には,「又た中通島の東方に当たりては,今の相の島あり,之れ始めは竹島(一に相之浦島)と称して,全部五島領なりしかは,文禄元年豊臣秀吉の名護屋築城に際し,同島より竹を伐出したる由緒ある処なりしも,明治四年正月十八日,大村藩と境界を定むるの時に至り,同島の峰尾を中境として,其東半は北隣なる平島と共に大村の所轄となれり。要するに,中通島は古来より,平戸・大村・五島の三藩勢力の接衝地たりしなり」と記載されており,かつての名称・植生・位置の重要性を知ることができる。最高地点は標高106mあり,全体的に緩傾斜地となっている。ススキ・シダ類のほか,ハカマカズラ・メジロホオズキなどの珍しい植物やビロウ・アコウなどの亜熱帯系の植物が自生する。第2次大戦中は海軍基地が建設され,当時の砲台跡が残されている。昭和47年には太田郷民25人が牧野組合を組織し,放牧地12haを完成させて,肉用牛25頭の飼育を始めた。しかし,4~5年で中止された。周囲は磯となっており,昔からアワビ・サザエ・ウニなどの魚介類の宝庫である。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7219204