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的山湾
【あずちわん】


北松浦郡大島村にある湾。平戸島の北方に位置する的山大島の南西に湾口をもつ天然の良港である。島の北側は玄武岩が海食を受け,そそり立つ断崖が続く。そこから南西方向に当湾を囲むようにゆるやかなスロープをつくり,おりていく。古くは,遣唐使船の寄港地(風待ち)として知られた。鎌倉期には元軍の一部が平戸地方に攻め入り,その際当湾からも上陸して島が戦場となった。さらに,倭寇時代にはその中継地としての役割も果たした。近世になると一転して捕鯨の島となり,的山・大根坂などもその中心として栄え,鯨の浦という地名も残る。これは湾ごとに鯨組の納屋が形成された時代の名残である。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7219262