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伊王島
【いおうじま】


長崎港の西方10kmにある島。西彼杵(にしそのぎ)郡伊王島町に所属し,同町の中心島。面積1.27km(^2)。船津瀬戸を境に沖之島と相対する。古第三紀層の砂岩・泥岩の伊王島層群よりなり,60m内外の丘陵状を呈する。藩政時は佐賀藩深堀領に属し,長崎港の入口に当たるため,慶応2年日本最初の六角形鉄製灯台が設置され,光達21海里に及んでいる。昭和16年長崎鉱業(後の日鉄伊王島鉱業)による石炭採掘が始められ,最盛期には6,000人(沖之島を含む)に達したが,同40年坑内ガス爆発事故やエネルギー革命によって,同47年に閉山した。基幹産業がなくなり,無人の炭坑住宅が多く立ち並んでいる。人口は昭和60年現在685人で,島内の半数以上は長崎市内に通勤している。俊寛僧都の墓と称されるものや北原白秋の歌碑がある。昭和59年から西武系資本による海洋牧場計画が始まり,観光地として期待されている。島内の船津港と長崎港とは1日7便の定期船があり,約30分で結ばれている。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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