100辞書・辞典一括検索

JLogos

20

海栗島
【うにじま】


対馬の西北端,鰐浦の沖に横たわる島。上県(かみあがた)郡上対馬町に所属する。鰐浦の名産雲丹を多く収穫したことからこの名がある。周囲およそ2km。旧来無人島で鰐浦の扇氏の所有であったが,現在では航空自衛隊の基地となり,多くの施設がある。鰐浦が古代から和珥津(わにのつ)として知られた基地であったのは,海栗島が天然の防波堤となって格好の泊地を形成したからである。海栗島の伝説として「津島紀事」は,外国人の幽霊が出た話を載せている。それは文禄・慶長の役後に起こった怪異を語ったもので,戦役の時鰐浦が軍の基地であったことを反映した話と思われる。元禄16年,前藩主宗義真の死を弔い,新藩主義方の襲封を賀す朝鮮の使節一行の船が海栗島沖で遭難し,108名全員溺死という事故があった。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7219656