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浦上川
【うらかみがわ】


長崎市内を流れる2級河川。市内北東部の前岳に源を発し,三川川・大井手川・岩屋川・城山川などの支流を集めて,長崎港に注ぐ。流路延長13.3km・流域面積38.6km(^2)。長崎市内で最長の河川である。上流は標高300~400mの山地の間をV字谷を刻んで流れ,三川川や大井手川と合流する。大井手川には本流と合流する地点近くに浦上貯水池(有効貯水量190万m(^3))があり,上水道用水として利用されている。大手町より下流は,市街地の中心部が広がり,重要な都市河川となる。西側に岩屋山や稲佐山,東側に金比羅山を控え,南北に細長い盆地の中央を南流する。川の両側には,住宅街や学校・病院・官公署・競技場などの各種施設,商店街などが山麓の丘陵部から,沖積面や埋立地に広がる。下流域は工業地区で,中小の工場や水産関係の施設も多い。河口左岸部に国鉄長崎駅があり,それに隣接して長崎魚市が長崎港の沿岸部にある。浦上川の左岸側と右岸側は,通勤・通学の人や車両の往来が頻繁で,古くからある下大橋・竹岩橋・梁橋・稲佐橋のほか,昭和57年1月に開通した河口橋の旭大橋が,両岸を結ぶ交通の要衝となっている。同年7月23日に長崎市を襲った集中豪雨(長崎大水害)は,この浦上川水系でも土石流や河川の氾濫による浸水など未曽有の被害をもたらし,多数の犠牲者が出た。このため稲佐橋から旭大橋までの約2.8km区間が河川激甚災害対策特別緊急事業,旭大橋より上流約8.5km区間が災害復旧助成事業で河川改修が進められている。工事の主な内容は,護岸・浚渫・拡幅が中心で,流下能力の増大をはかるものである。昭和61年度までの大事業で総工事費は110億円。河口から約4kmにある大橋付近までが潮入川で,現在の潮入の限界点であるが,河川改修によって,これよりやや下流の市民プール付近に堰が設けられている。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7219671