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大島
【おおしま】


太田和港の西方約4kmにある島。西彼杵(にしそのぎ)郡大島町に所属する。周囲約29km,面積12.9km(^2)。太田和港と本島の間の呼子ノ瀬戸をカーフェリーが約15分で結ぶ。地質は夾炭層を含む古第三紀の砂岩・泥岩・礫岩・凝灰岩などからなり,断層によって生じた地塁島である。百合岳(194m)が最高峰で,全般に起伏に富んだ丘陵性の島となっている。江戸期(寛永年間以後)には大村藩の藩牧が置かれ,島の玄関口である馬込の地名はこれに由来する(大島町郷土史)。昭和10年以来,炭鉱の島として知られたが,エネルギー革命の影響を受け昭和45年に閉山した。炭鉱閉山後,典型的な過疎化現象がみられたが,企業誘致が図られ,昭和47年に大島造船所が進出した。この結果,過疎化に歯止めがかけられ,現在は造船業が基幹産業となっている。耕地が乏しく,港湾施設にも恵まれず,第1次産業はあまり振るわない。農産物や漁獲物の大部分は島内消費に当てられ,島外への出荷は少ない。近年,ハマチ・タイ・ワカメなどの養殖が盛んになりつつある。島内至る所景勝地に恵まれ,特に百合岳からの展望に優れ,展望台・駐車場・キャンプ施設がある。岩肌のあらわな海岸は好釣場として知られ,県外からも釣客が訪れる。寺島大橋が着工され,将来は本土との架橋が待たれる。また,第三セクター方式による焼酎工場が建設され,地場産業の振興も図られつつある。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7219858