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蠣ノ浦島
【かきのうらしま】


五島灘にある島。全島西彼杵(にしそのぎ)郡崎戸町に所属する。面積4.8km(^2)。佐世保市の南西28kmに位置し,中戸瀬戸を隔てて大島と相対し,橋で結ぶ。基盤は花崗岩と結晶片岩で,その上部は夾炭層を含む第三紀の砂岩・泥岩・礫岩などからなる。海抜123mの阿房岳を最高峰として東部が高く,北部・西部は傾斜地で平地に乏しく地味はやせている。江戸期は大村藩領に属し,流罪の島とされている。寛永年間の鯨組の進出で西海捕鯨の基地として知られる。海底より石炭が発見され,明治末期以後,本格的な採掘が始まり,以後60余年間にわたり石炭の島として全盛をきわめた。昭和43年の炭鉱閉山に伴い一転し過疎の町になった。昭和30年に崎戸製塩工場が設置され,年間18万tを生産し,町の基幹産業となっている。製塩の過程で生じる1日1,000tの蒸留水は住民の飲料水として利用されている。平地に恵まれず農業は不振であるが,好漁場に恵まれ,一本釣りや定置網漁業が盛んである。さらに町勢浮揚策として,コールセンター(海外炭中継供給基地)の建設が計画されている。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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