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上五島
【かみごとう】


五島列島のうち,南松浦郡下の奈留瀬戸を境に北にある奈留島・若松島・中通島と属島を含む地域称。瀬戸南側の下五島に対する。行政上は南松浦郡新魚目町・上五島町・有川町・奈良尾町・若松町・奈留町にまたがる。面積256.49km(^2)で五島列島の40%を占める。主地域をなす3島は新第三紀の中通島層群と五島層群からなる。山王山(中通島)を中心に急峻な山地とその沈水による多くの入江・小島に富むリアス式海岸があり,若松島を中心に有川湾,曽根火山(新魚目町)が西海国立公園の一部をなしている。ほとんど山地からなるため,農耕地は少なく,農業従事者は1割にも満たない。漁業従事者は4割を占め,捕鯨業・カツオ釣り等を行い,県内や和歌山県からの移住に始まるといわれる。沿岸漁業が盛んで,巻網・定置網・一本釣りや,湾・入江でのタイ・ハマチ,真珠の養殖が中心である。奈良尾町は揚り網の沖合い漁業の基地である。五島灘に面した東側は表五島,対馬海峡に面した西側は裏五島と呼ばれ,主要集落は東側に多く,西側や瀬戸,半島部にはカトリック信者の集落が多い。奈良尾―奈留―福江―長崎間,有川~佐世保間とはそれぞれ1日2便のフェリー定期船で結ばれている。また有川町頭ケ島の上五島空港は長崎空港と1日5便,福江空港とは週3便の小型機で結ばれている。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7220230